アメリカで今流行りの拒食症派サイトについて
2006年12月7日−冷たい水を飲みましょう(これでカロリーを燃焼できますよ。何故なら体が体温を維持しなければならないからです)。コンソメスープの素をお湯に溶かして飲みましょう。(コンソメ1個で僅か5カロリーですよ。しかも味は美味しい)。もし飢えが襲ってきたらマニキュアをしましょう(ゆっくり乾燥するマニキュアを更にもう一回やります。指に注意が奪われます)。
今流行りの拒食症派サイト、過食症派サイトではこの手の表現が氾濫している。現在アメリカでは200ほどのこの種のサイトがあるが、拒食症(全女性の0.5〜1%)過食症(1〜2%)の人達を呼び込んでいる。
「善意かどうか知らないが、良いホームページとは言えない」とスタンフォード大学ルーシル・� ��ッカード小児病院の青少年医学の専門家であるレベッカ・ピーブル氏は言う。"青少年摂食障害者の摂食障害派サイト利用状況の研究"と題して、アメリカ小児学会誌に今月発表された。それによると、摂食障害派サイトを読んでいる人はそうでない人に比べて、より長く摂食障害を患い、学業に割く時間が少なかった。又入院する回数も多かった。
専門家の多くが摂食障害派サイトを読んで慄然としている。「サイトでは、摂食障害が大した事は無い、こうすれば良いと言っているが信じられない。修正第一条まで持ち出して自己弁護するが、彼等に表現の自由はない。摂食障害はライフスタイルと言うがとんでもない。摂食障害は危険な病気である」とアメリカ拒食症協会の副理事であるクリストファー・エイサス氏は言う。実� �� ��摂食障害は不安、鬱状態、アル中、麻薬中毒、自傷、自殺の原因になっている。
「この拒食症派サイト、過食症派サイトは摂食障害の危険性を言い繕って隠している。拒食症の患者の自殺率は、健康な人のそれに比べて56倍と猛烈に高い。だからこのようなサイトに書き込んでいる人達は、自殺の共犯者と言う事になる」とノースカロライナ大学で摂食障害プログラムを主催しているシンチア・ブリーク氏は言う。
2006年にはパーセントまたはアメリカの肥満率
「拒食症は再発率が高いが、最初の1年でこのようなサイトを見ると治療の妨げになる。極めて危険な内容で、病気をむしろ誘導している。拒食症は麻薬のような依存性は無いと思うが、サイトは患者に拒食症が、何かありふれた気持ちが良い物と思わせている。拒食症を治すには、治療にあたる人達の声が強く聞こえるようにしないとなりません」とブリーク氏は言う。
ロナルド·ソロモンMDうつ病
摂食障害派サイトは誘惑的でもある。例えば、Pro-ana-nation.comと言う摂食障害派サイトでは、「もう何年も摂食障害で悩んでいて治らない貴方が、このサイトでは安心出来るのです」と言っている。そこの書き込みには「ぶどう以外は何を食べても罪悪感を感じる」との書き込 みがあった。ここでも他のサイト同様に、拒食症の症状である、黄変し乾燥した皮膚、うぶげの発生を記述している。
調査をした回答の内、96%がサイトから新しい減量の仕方や吐き方を学んでいた。回復派サイトでも回答者の46%が同様な情報を学んでいた。しかも10人の内7人が情報に基づいて実行している。3分の1はダイエットピルやサプリメント、下剤を使っていて彼等の両親はそれを知らなかった。
この調査では、1997年から2004年までの間にスタンフォード大学青少年医療部門に来た患者で、年齢が10歳から22歳の人の家族698組に、無記名の調査用紙を送って実施した。その内76人の患者と106組の家族が回答をした。その結果、患者の35.5%が摂食障害派サイトに出入りしていた。摂食障害派サイトとは、摂食障害に悩む人が集ま� � �、インターネット上で生き方を話し合う場所と規定される。45%の人が回復派サイト(回復派サイトとは回復を念頭に置くサイトとする)に行っている。25%は両方を見ていて、残りの48.7%は両方共に見ていなかった。「拒食症の人が両方見る可能性はある。何故なら、治りたいとも思っているし、治りたくないとも思っているからだ」とピーブル氏は言う。
拒食症派サイト、過食症派サイト共に、彼等は摂食障害を悩む人の為のコミュニティーであり有害情報は出していないと主張している。(拒食症派サイトを示すpro-anaの言葉は多く使われているが、サイトによりバリエイションがある)。
非言語的学習障害ジョージア州アトランタ
その中でも、読者が多いサイトを経営している23歳で2児の母親であるアナ・ロビンズ氏は「私のサイトに来る人は殆ど摂食障害を経験している人で、彼等は同じ悩みを持つ人から精神的援助が欲しいのです。サイトを読んで摂食障害を発症するなんて考えられません。拒食症になるように応援している事は無いし、プロの精神科医もサイトでアドバイスしています。我々は病院に入院してチューブに繋がれたくないのです。私のサイトでは、裸の写真ややせ衰えた写真を展示していません。そんなものは回復を願っている人間には有害です」と主張する。
シャーロットノースカロライナ州の減量アトキンスダイエットセンター
ロビンズ氏自身も体重40kgで身長は152cmである。
「痩せた女性モデルの写真は素晴らしい。� ��等有名人でさえも我々と同じように摂食障害を患う。アイドル発掘番組であるアメリカンアイドルで準優勝したキャサリーン・マックフィーが、彼女も過食症を患っていると告白した時は、我々も大変救われた。沢山の摂食障害者が私のサイトに来ますが、多くは自殺をしたがります。『心配しないで我々は何時でも貴方の側にいるから』と慰めます」とロビンズ氏は言う。
彼女自身も摂食障害の影響で低血圧と心臓の雑音、不整脈に悩まされている。また、寒く感じ何時も食べ物を考えている。
このようなサイトでは、歌手のカレン・カーペンターの写真を飾ってはいるが、一般的には暗いニュースは書かない。例えば11月14日、拒食症による臓器不全で死んだブラジルのモデルである、アナ・カロライナ・� �ス トン21歳については書いてない。彼女は身長170cm、体重40kgでイタリアのファッションデザイナーのジョルジオ・アルマーニのモデルをしていた。聞くところによると、彼女は僅かにジャガイモとリンゴで凌いでいたと言う。
8月にはウルグアイのモデルであるルイセル・ラモス22歳が心不全で死んだ。彼女はレタスとダイエットソーダ位しか口にしていなかった。(拒食症の患者は心拍低減、乾燥皮膚、貧血、腎臓不全、心臓血管障害、脳の変化、骨粗しょう症等多くの問題を抱えている)。
アーカンソー州の高速重量損失のヒント
「サイトでは暗い問題を素通りしている」とジョーンズ・ホプキンス大学ダイナ・ボーゼコフスキー氏は言う。彼女はインターネットで患者に栄養と運動の重要さを知らせる研究をしている。
サイトの多くは、例えばオードリー・ヘップバーンのような痩せた有名人や、無名のあばら骨がゴツゴツ出ている写真を掲載している。そして、如何に食べる量を減らし、吐くかのコツを伝授している。その1つであるAnorexics.netは、自分達を友情コミュニティーと称している。精神分析家のアナ・フロイト(拒食症であったと言われている)、詩人のアネ・セックストン(拒食症と鬱状態を患う)、オードリー・ヘップバーン(47kg、170cm)、プリンセス・ダ� �アナ(過食症)その他の写真を掲載している。
ブノワの脳震盪
摂食障害派サイトでは摂食障害を煽っていると、ミシガン大学内科教授であるデイビッド・ローゼン氏は言う。「彼等は常時、病的に痩せる努力、不健康になる努力をしている。サイトに行き、メンバーがどんな食べ方をし、どんな吐き方をしているのかを読めば、更に食事を抑えてダイエットピルに向かうでしょう。善意であろうと無かろうと、このような情報が問題なのです」と氏は言う。
このようはサイトが、拒食症の悪い面を強調してもあまり意味が無いだろうとローゼン氏は言う。「私は今まで沢山の患者に拒食症の死の危険性を説いたが余り効果が無かった。彼等の思考は何か別の所にあるように見える。よく聞く言葉に『でも棺の中で私は痩せているから良い� �ゃな� ��』がある。ここ迄体も脳も餓えると、もう何を言っても無駄になる」とローゼン氏は言う。
「拒食症は強迫行為に似ていて、インターネットサイトはこの強迫行為のお手伝いをしている。私の扱ったある大学生の患者は、インターネット上から痩せたモデル関係の写真、詩、情報を集めて、60ページのスクラップブックを作っていました。彼等の圧倒的多くがサイト見て症状が悪化し、改善したのはほんの数例です。患者は感受性が高く、サイトの記事を批判的に読めません」とローゼン氏は言う。
摂食障害派サイトが実際摂食障害を引き起こしているかどうかは確証が無い。「このようなサイトは、摂食障害予備軍を引き込んで実際に実行させる可能性がある。10代のタバコみたいなもので、最初は誰もタバコ中毒になるとは思っていないが、気がついたら止められなくなっている。拒食症も最初は単なるダイエットで始まるが、次第に激しく取りつかれたようになる。異常なダイエットを正常に見せかけて彼等を引き込んでしまうのですね」とローゼン氏は言う。
では、サイトは全く健康な子女さえも拒食症にさせるであろうか。「私が彼等を診察する時は彼等の多くが既に拒食の仕方を知っていて、サイトの情報、アドバイスを必ずしも必要としていない。だから拒食症になるに� ��体質的なものがあるでしょう。でもその傾向がある人を強化させる役割をしていると思う」とアレクシャン兄弟行動健康病院のジョーン・レビット氏は言う
11月、摂食障害学会は、増え続ける拒食症を促すようなサイトに対して警告を発した。政府及びインターネットサービスプロバイダーに、サイトに警告表示を義務付けるよう働きかけた。警告とは「拒食症は死につながる病気です。貴方が今見ようとしているサイトは貴方の健康に有害な情報が含まれています」と。両親はこれを見れば注意するであろう。
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